原因不明の痛み・しびれ（首・肩・腕）

ひとくちに上肢のしびれといっても、さまざまな原因が考えられています。
上肢にしびれを引き起こす要因には次のことが挙げられます。

 

【筋肉の緊張】

こわばった筋肉によって神経が圧迫され、しびれに繋がる場合があります。
腕や手のしびれに関しては、首まわりの筋肉が関連しているケースが多いです。

・長時間の同一姿勢（デスクワーク、スマホの操作）
・猫背の姿勢
・腕や手の使いすぎ
など

特に斜角筋（頚椎から肋骨、鎖骨周辺にかけて付着している筋肉）や小胸筋（胸の筋肉）の緊張から神経が圧迫されている状態のことを「胸郭出口症候群」と言います。

 

【血行不良】

血行不良によって神経が酸欠状態になることで、しびれが起こる場合があります。
身体の冷えや運動不足、長時間の同じ姿勢などによって、血行が悪化しやすいです。

何かの病気や骨格の変性が特にない場合、「筋肉の緊張」と「血行不良」がしびれに大きく関与していると考えられます。

 

【手根管症候群・肘部管症候群】

骨と靭帯で作られるトンネルが狭くなり、その中を通る神経が圧迫される場合があります。
手首の手のひら側を通る正中神経が圧迫された状態を「手根管症候群」、肘の内側（小指側）で神経が圧迫された状態を「肘部管症候群」と言います。

 

【頚椎の問題】

●頚椎椎間板ヘルニア

頚椎（首の骨）にある椎間板が飛び出し、周辺の神経を刺激する病気です。
姿勢の悪さやスポーツによる強い負荷、加齢などとの関連が考えられています。

 

●頚椎症

頚椎の変性（骨棘の形成、靭帯の肥厚など）によって、神経が刺激される病気です。
加齢の影響が大きく、中高年の方に多くなっています。

ヘルニア、頚椎症はともに片側の手や腕に症状が出ることが一般的です。
しかし、神経への障害が強くなった方では、両側の上肢や下肢にも症状が出てくる場合もあります。

 

【病気】

糖尿病で高血糖の状態が長く続くと、しびれに繋がる場合があります。
その他、葉酸やビタミンB12不足から起こる「巨赤芽球性貧血」や、関節周辺に炎症が生じる「関節リウマチ」なども、しびれを起こす病気に挙げられます。

首や肩、腕にかけてのしびれを感じる際には、次のような対処が有効と言われています。
また普段からの予防で、症状が出にくい身体作りをしておくことも大切です。

 

【対処法】

●温める

身体を温めて、血の巡りを良くしていきましょう。
しびれや痛みを感じる部位はもちろん、首や胸のあたりを温めることで症状が緩和する場合があります。

全身を温めるためには、湯船に浸かった入浴もおすすめです。

 

●ストレッチをする

ストレッチによって、首や肩まわりの緊張をほぐしていきましょう。
「頭をゆっくり横や前、後ろに倒す」「両腕を後ろに引いて、胸を張る」「手首を反らせる」といったストレッチの方法があります。
お風呂上がりに行うと、より楽に筋肉を伸ばすことができます。
※しびれが強まる場合は、お控えください。

 

●運動をする

適度な運動を行うことで、首や肩まわり周辺の筋緊張がほぐれこわばりの緩和が期待できます。
ウォーキングやラジオ体操、水泳など、肩まわりを動かす運動を重点的に行いましょう。

 

【予防法】

●身体を冷やさない

身体の冷えは筋肉をこわばらせ、血行も悪化させてしまいます。
特に上肢のしびれに関しては、一枚上着を羽織ったり、マフラーを巻いたりして首まわりを冷やさないことが大切です。
また夏場であっても、クーラーや扇風機の風に当たりすぎないように気をつけましょう。

 

●姿勢を意識する

前のめりになった姿勢が続くと、首や肩まわりの筋肉に負担をかけてしまいます。
顎を軽く引いて、背中はまっすぐ伸ばした姿勢を普段から意識してください。
またスマホは、顔の高さに上げて操作することで、前傾姿勢を防止できます。

 

●適度に身体を動かす

どれだけ意識していても、徐々に姿勢は崩れてくるものです。
1時間を目安に休憩を入れて、リフレッシュする時間を作りましょう。

また、首や肩をぐるぐると回すことで筋肉のこわばりを防止し、痛みやしびれの予防に取り組みましょう。

しびれや痛みも共通して身体の異常を知らせてくれるサインです。
ご自分では自覚が無くても必ずと言っていいほど「原因」は潜んでいます。
特にしびれに関しては「身体のどの部分で神経や血管の圧迫が起きているのか」をカウンセリングや徒手検査にて明らかにしていきます。

「原因」としてよく挙げられるのが首まわり(肩・前胸部辺り)の筋緊張があります。
猫背や長時間のデスクワークなどでの同一姿勢、運動不足などが要因としてあり、首まわりの筋緊張が強まり結果としてしびれを発生させています。

当院ではまずその「原因」となっているものを明らかにし、ハイボルト、骨格・猫背矯正、カッピング、筋膜ストレッチ、温熱療法、テーピング、経穴(ツボ)へのアプローチを用いて症状改善へと導いていきます。

 

【原因不明の痛み・しびれ（首・肩・腕）に対する施術方法】

■ハイボルト療法

高電圧の電気刺激を患部に浸透させ、疼痛の軽減や血行促進などを目的に行います。
「痛みの原因の見極め」「炎症の抑制」「痛みの緩和」が期待でき、急性期の痛みから慢性的な痛みの強い時期におすすめな施術です。

 

■経穴（ツボ）へのアプローチ

経穴を刺激し気血の流れを促進することで、症状を未病の段階で防ぐことに期待できます。
また、筋肉の緊張からなる「肩こり」などの慢性痛などの症状も経穴への刺激により血液循環を促進することで改善が見込めます。

 

■テーピング

貼り方を工夫して「ケガの予防」「パフォーマンス向上」「治療効果の持続」などの目的で行います。
ホワイトテープ、キネシオロジーテープ、スパイラルテープ、ティアライトテープ、エラスチックテープ、ストリンテックスなどのテーピングを症状、部位ごとに使い分けて使用していきます。

 

■CMC筋膜ストレッチ（リリース）

特殊な器具や手技により行う施術で、「血行促進→細胞の活性化→コラーゲンの形成」を促して組織の回復能力を高める施術です。
筋肉系のケガや痛み、関節の動きの悪さなどに対して施術することで痛みの緩和や可動域拡大に期待できます。

 

■温熱療法

岩盤マットやサーモフォア、超音波施術器を使い患部もしくは全身を温めます。
血流循環を促進し、痛み物質や老廃物の代謝や体外への排泄、冷え性の改善に期待できます。