打撲

打撲は、身体をぶつけた際に生じるケガを指します。
一般的には「打ち身」と呼ばれており、筋線維や血管といった皮下組織を損傷した状態とされています。

 

【打撲の原因】

身体の一部を強打することで、打撲は生じます。
例えば、次のような状況が挙げられます。

・コンタクトスポーツでの激しい接触
・スポーツ中の転倒
・野球のデッドボール
・格闘技での打撃
など

またスポーツに限らず、「自動車やバイクとの接触（交通事故）」「段差につまずいて転倒する」「家具に足をぶつける」など、打撲は日常生活中も身近に起こりやすいケガの1つです。

 

【打撲の症状】

●痛み

ぶつけた箇所を押すと痛みがあります。
また、皮下組織の損傷が激しい箇所は、動いたり触ったりしなくてもズキズキと痛む場合があります。

 

●たんこぶ

頭をぶつけた際には、たんこぶができる場合があります。
たんこぶは、皮膚の下に血液が溜まった状態といわれています。

 

●内出血、腫れ

血管を損傷し、内出血が広がっていきます。
また、炎症によって患部が腫れてくる場合もあります。
受傷直後よりも、時間が経ってからのほうが見た目の変化が出やすいです。

 

●運動制限

関節周辺を強く打撲したり、筋損傷が激しかったりする方では、運動が制限されてしまう場合があります。
打撲により筋線維を損傷した状態を「筋挫傷（きんざしょう）」とも呼びます。

 

【注意が必要な打撲】

●頭部、腹部の打撲

頭や腹部を強くぶつけた際には、脳や内臓を損傷している可能性があります。
意識障害や吐き気、めまい、腹痛があるケースはもちろんのこと、自覚症状がなくとも一度医療機関に行くことをおすすめします。

 

●腫れや痛みが強い打撲

「通常の打撲よりも腫れや内出血が多い」「ピンポイントで強い圧痛がある」「振動や牽引など離れた箇所からの外力で痛みが響く」といった症状がみられる際には、骨折が疑われます。
自己判断で処理をせず、早めに医療機関で検査を受けてください。

内出血や腫れを広げるほど、痛みを強める可能性があります。
「RICE処置」を中心に、なるべく早めの対処を行いましょう。

 

【RICE処置】

●Rest（安静にする）

痛みが出る動作はなるべく避けて、安静にしてください。
動かすことで皮下組織の損傷を広げる可能性があります。

 

●Icing（冷却する）

氷水の入った袋を当てて、熱感や痛みのある箇所を冷やしてください。
冷却によって痛みの感覚を麻痺できるほか、血管を収縮させることで内出血も抑えられます。
15分を目安に冷却し、痛みが戻るようであれば再度アイシングします。

 

●Compression（圧迫する）

包帯やバンテージ、テープなどを巻いて、患部を軽く圧迫します。
圧迫を行うと、内出血や腫れが広がっていくことを防止できます。

 

●Elevation（挙上する）

患部を心臓よりも高い位置に挙げることで、むくみや腫れを抑えられます。

 

●接骨院・整骨院に行く

軽い打撲であれば、RICE処置によって時間の経過とともに症状は改善していきます。
しかし、炎症症状が強く出ている場合は、早めに接骨院・整骨院に行くことをおすすめしています。

超音波や特殊な電気をあてることにより、症状の早期改善が期待できます。
また、手技によって周辺の筋肉をゆるめたり、身体のバランスを調整したりしておくことで、スポーツにもスムーズに復帰しやすくなります。

 

【打撲の予防法】

転倒や衝突など不意なタイミングで起こるため、打撲の予防はむずかしくなっています。
しかし、「つまずかないように部屋を整理する」「家の段差を減らす」「足腰の筋肉やバランス感覚を鍛えておく」「肘当てや膝当てなどの防具をつける」といった対策によって、打撲のリスクを軽減が見込めます。

打撲はスポーツの現場だけではなく、日常生活の中でもよく起きてしまうケガの1つですが。
その分放置されてしまうことも多く慢性的な痛みや関節の可動域の制限が残ってしまうこともあります。

受傷直後はアイシングや圧迫固定などを行いますが、この初期処置が行えるかどうかが施術を実施していくうえでとても重要となります。

当院では超音波エコー装置を使い損傷の程度の詳細を確認し損傷の程度によりハイボルト、超音波、筋膜ストレッチ、テーピング、ドレナージュ(DPL)、温冷罨法などを行ない早期の改善を図っていきます。

 

【打撲に対する施術方法】

■保険施術

骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)に対して接骨学に基づいた施術を行います。
カウンセリング・検査から始まり、患部への低周波療法、温冷罨法、固定、運動療法などが保険内施術となります。

 

■ハイボルト療法

高電圧の電気刺激を患部に浸透させ、疼痛の軽減や血行促進などを目的に行います。
「痛みの原因の見極め」「炎症の抑制」「痛みの緩和」が期待でき、急性期の痛みから慢性的な痛みの強い時期におすすめな施術です。

 

■経穴（ツボ）へのアプローチ

経穴を刺激し気血の流れを促進することで、症状を未病の段階で防ぐことに期待できます。
また、筋肉の緊張からなる「肩こり」などの慢性痛などの症状も経穴への刺激により血液循環を促進することで改善が見込めます。

 

■テーピング

貼り方を工夫して「ケガの予防」「パフォーマンス向上」「治療効果の持続」などの目的で行います。
ホワイトテープ、キネシオロジーテープ、スパイラルテープ、ティアライトテープ、エラスチックテープ、ストリンテックスなどのテーピングを症状、部位ごとに使い分けて使用していきます。

 

■CMC筋膜ストレッチ（リリース）

特殊な器具や手技により行う施術で、「血行促進→細胞の活性化→コラーゲンの形成」を促して組織の回復能力を高める施術です。
筋肉系のケガや痛み、関節の動きの悪さなどに対して施術することで痛みの緩和や可動域拡大に期待できます。

 

■温熱療法

岩盤マットやサーモフォア、超音波施術器を使い患部もしくは全身を温めます。 血流循環を促進し、痛み物質や老廃物の代謝や体外への排泄、冷え性の改善に期待できます。