ぎっくり腰

ぎっくり腰とは、突然起こる激しい腰痛のことを指す通称であり正式には「急性腰痛」と呼ばれています。

 

【ぎっくり腰の原因】

なぜ強い腰痛が起こるのか、はっきりとしたメカニズムは分かっていません。
ただ、次のような要因によって、ぎっくり腰のリスクが高まるといわれています。

 

●不良姿勢

猫背や反り腰といった身体のゆがみから、腰部に偏った負担がかかります。
それにより筋肉の柔軟性が低下し、前屈みや重たいものを持ちあげる動作で筋線維を損傷することが考えられています。

 

●身体の酷使

スポーツや仕事で身体を使いすぎていると、疲労の蓄積から腰の筋肉がこわばっていきます。
特に前屈みの動作や、腰をひねる動作にて腰部にストレスがかかりやすくなっています。

 

●長時間の同じ姿勢

使いすぎもよくありませんが、動かなさすぎるのも身体への負担になります。
デスクワークや車の運転など、同じ姿勢がつづくと筋肉の柔軟性が低下し、筋線維を痛めやすくなります。

 

【ぎっくり腰の症状】

●激しい痛み

ぎっくり腰を発症すると、強い腰痛に襲われます。
その場から動けなくなるほどの激しい痛みを伴うこともあります。
痛めた部位によっては、ウエストラインを中心に背中やお尻の辺りまで痛みが広がる場合もあります。

 

●熱感

炎症によって腰周辺に熱を感じる方もいらっしゃいます。

 

●動作の制限

激しい痛みで、前屈や後屈、回旋など体幹の動きが制限されてしまいます。
どの動きができなくなるかは、状態によって異なります。

 

【ぎっくり腰の症状の変化】

発症した直後は激痛に襲われますが、2〜3日ほどで炎症は引いてくることが多いです。
徐々にできる動作が増えていき、1〜2週間、長くても1ヶ月程度で自然と改善していくことが一般的です。

発症直後の「急性期」、炎症が落ち着いてくる「慢性期」と状態にあわせた処置を行うことで、症状の早期改善が期待できます。
また、普段のコンディションを整えておくと、再発の防止にも繋がります。
ぎっくり腰への対処法と予防法をこちらで詳しくみていきましょう。

 

【ぎっくり腰の対処法】

●冷やす、安静にする（急性期）

受傷直後は、痛みの出る動作はなるべくとらないようにしてください。
無理に動かすと、炎症を強める可能性があります。
また、氷水を当てて冷やしたり湿布を貼ったりすることで、痛みの緩和を図れます。

多くのケースでは、2〜3日ほどで炎症は収まります。
痛みが悪化する、変化が見られない場合は何か別の病気の可能性もあります。
一度医療機関に行って検査を受けることをおすすめします。

 

●できる範囲で動かす、ストレッチする（慢性期）

炎症が落ち着いたら、仕事や家事など可能な範囲で身体を動かすようにしましょう。
早い段階から動かすことで、その後の回復が早まるといわれています。
無理のない範囲で日常生活に戻していきましょう。

また入浴で身体を温め、股関節や太ももなどのストレッチを行うことで、腰部の動作制限が改善しやすくなります。

 

【ぎっくり腰の予防法】

●適度な運動

定期的に身体を動かすことで、筋肉のこわばりを防止できます。
ウォーキングやラジオ体操、水泳など負担の少ない運動を毎日の生活に取り入れていきましょう。

 

●ストレッチ

痛みがあるときに限らず、お風呂上がりのストレッチを習慣にしてください。
ぎっくり腰の予防には、お尻や太もも、股関節周辺のストレッチが有効といわれています。

 

●同じ姿勢を続けない

立ち仕事やデスクワークなど、同じ姿勢が続くと筋肉の柔軟性が低下してしまいます。
30分〜1時間を目安に休憩を入れて、こまめに身体を動かすようにしましょう。

 

●休息を入れる

身体に疲労を溜めると、ぎっくり腰のリスクを高めてしまいます。
スポーツや仕事も適度な休日を設けることが大切です。

急に激痛が走りその場から動けなくなることもあるぎっくり腰。
さらには「くせになる」と言われる代表的な症状でもありますが、実は適切な処置を早期に行うことでその後くせになることを防ぐことも十分に期待できます。

当院ではまずカウンセリングと検査、姿勢分析を行い、ぎっくり腰の根本的な原因を明らかにします。
その上でハイボルト、テーピング、カッピング、筋膜ストレッチ、骨格矯正、ドレナージュ(DPL)、温熱療法などで根本的な改善を図り、二度と同じような痛みが出ない身体を目指して施術を行っていきます。

患者さんがご自宅でも予防に取り組めるように、簡単なトレーニングやストレッチ方法などもアドバイスいたします。
ぜひ一緒にぎっくり腰の改善を目指しましょう。

 

【ぎっくり腰に対する施術方法】

■ハイボルト療法

高電圧の電気刺激を患部に浸透させ、疼痛の軽減や血行促進などを目的に行います。
「痛みの原因の見極め」「炎症の抑制」「痛みの緩和」が期待でき、急性期の痛みから慢性的な痛みの強い時期におすすめな施術です。

 

■経穴（ツボ）へのアプローチ

経穴を刺激し気血の流れを促進することで、症状を未病の段階で防ぐことに期待できます。
また、筋肉の緊張からなる「肩こり」などの慢性痛などの症状も経穴への刺激により血液循環を促進することで改善が見込めます。

 

■テーピング

貼り方を工夫して「ケガの予防」「パフォーマンス向上」「治療効果の持続」などの目的で行います。
ホワイトテープ、キネシオロジーテープ、スパイラルテープ、ティアライトテープ、エラスチックテープ、ストリンテックスなどのテーピングを症状、部位ごとに使い分けて使用していきます。

 

■骨格矯正

全身のバランスを確認し、その方にとって最適なバランスに導く施術です。
身体の各部位にかかるストレスを取り除きバランスを整え、最適な全身バランスを目指します。
「ボキボキされるのが怖い」「痛そう」と思われる方でも安心して受けていただける刺激の強くない手技です。

 

■CMC筋膜ストレッチ（リリース）

特殊な器具や手技により行う施術で、「血行促進→細胞の活性化→コラーゲンの形成」を促して組織の回復能力を高める施術です。
筋肉系のケガや痛み、関節の動きの悪さなどに対して施術することで痛みの緩和や可動域拡大に期待できます。

 

■カッピング

透明なカップを患部に当て、吸引機で吸着させ中を真空状態にします。
皮膚がカップに吸い込まれるように引っ張られることで独特な痣のような痕が付きます。
それにより血液やリンパの流れが促進され、老廃物や痛み物質が体外に排出されやすい状態になり、疲労回復効果や疼痛緩和効果が期待できます。※痣のような痕は数日で消えます。